経営近況、9月に向けての登山

久しぶりの投稿となります。
おかげさまで8期目を迎えた月虹製作でありますが、これを書いている6月現在、すでに下半期も残り半分となりました。

 

1月頃、社員Fと二人で雑談していたところ「安形さん最近、変わりましたよね」というコメントをもらいました。どこが変わったのかと聞いたところ「悩みやモヤモヤがなさそうというか、穏やかというか」とのことでした。たしかに、長年一緒に働いてきたFとKには、経営のことはもちろん、マネジメントなど様々な相談をすることがあったのですが、ここ数ヶ月はその頻度は少なくなっていたかもしれません。

 

わたしが、微に入り細を穿つ経営を目指して、重箱の隅を突きまくるような相談をFとKにしていたとは到底思えないのですが(していたらごめんなさいw)、自分のつけている日記を見返したところ、ここ数ヶ月は確かに開発や技術の相談をしている記録しかありませんでした。これはきっと、ここ最近の社内の良いムードによって、これまで大げさに問題化してしまった杞憂などはかき消されてしまった、ということかもしれません。あるいは、四十にして惑わずという言葉通り、わたしの年齢的な自然現象も手伝ってか良い意味での「落ち着き」のようなものがやっと出てきたのでは、と考えたいところです。


ただしかし、悩みは尽きることはない、というのが実情です。
当社は設立以来、特に狙ったものではないのですが、上半期(10月~3月)が助走、下半期(4月~9月)が加速と追い込みの期間となっていたため、またぞろ当期も同じような業績推移を辿るのだろうと考えていました。しかし当期の1月頃は、コロナ禍によるIT需要も一段落、(当社の場合それによる恩恵はほとんどなかったのですが、苦笑)確定済みの開発案件もほぼ消化に向かい、これまで顧客からいただいた新規の相談もそのほとんどが長期的な計画であったことから、下半期の売上予測はこれまでにないほど不透明な状態でした。

8年分営業利益推移。毎期9月に向けての登山,4期は登りきれず,5期は平地,8期は見込
8年分営業利益推移。毎期9月に向けての登山,4期は登りきれず,5期は平地,8期は見込

社員から「安形さん  それ毎年言ってますよ」と毎年言われているわたしにとっては例年のことではありますが、わたしにとってこの1年を通したV字型の業績推移は精神衛生上、向いていないようです。わたしの感覚が贅沢になったのか、はたまたわたしの心配性が年々増長してしまったのか、ここ数年のわたしの行動を振り返ると、常に約1年間分のお仕事が予定されていなければ「落ち着き」などという言葉とはかけ離れた行動を起こすことは明らかです。


そうであればいっそのこと当期は目標値を引き下げ、社内の課題の解消や研究開発へと予算表を眺めはじめました。オンプレ,クラウドサーバーのハイブリッドのメリットを最大限活かせる構成、フロントエンド、メタバースの研究、自社サイトリニューアルなど、やりたかったことは山程あったため、小規模ながらも将来へ向けた活動を本格化するタイミングではないかと考えていたわけです。これまでスローペースで少しずつ整備していたものを当期で一気に片付けてしまう、というわけです。

ところが当時進めていた営業で、成り行き上コンペになってしまった案件(基本的に月虹製作はコンペには参加しません)があったのですが、競合と比較し、導入コストの面で劣勢ではあったものの、わたしたちの提案を評価いただけたことで受注することができました。
このタイミングから潮目が変わり、過去に提案はしていたものの保留としていた潜在案件が立て続けにアクティブとなり、具体的な提案を進めたところ、そのほとんどを受注することができました。安全な納期設定を前提にスケジューリングをしたところ、4月頃には秋口までの予定がほとんど埋まってしまい、7月現在では11月中旬以降のお仕事のご相談を頂いている状況です。


このように毎年のように1年を通して、谷を下がり山を登るのは受託開発業の宿命でもあり、聞いた話ではもっと傾斜のきつい推移を辿っている会社もあるとのこと。わたしとしてもいい加減に慣れないといけないのですが、いつか社員から「今年は何も言わないですね」と言われたいものです。

しかしこうして毎期、まるでつじつまが合うようにお仕事をいただけるのは、日々、顧客の期待以上のものを作ろうとしている社員たちをお客様が評価してくれていることに尽きると考えています。お客様には、開発スケジュールの課題はありますので少々お待たせしてしまうかもしれませんが、スピーディに行いたい小規模な改修から中長期の計画、課題共有レベルのものでありましても、いつでもご相談いただければうれしいです。

なかなか終わりがやってこないコロナ禍、そして戦争による経済への影響が深刻となるなかではありますが、わたしたちのWeb製作力が、お客様のビジネスに役立てるよう、目の前にある仕事に全力で取り組んでいきたいと思います。